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バーゼル条約
有害廃棄物の越境移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約。有害廃棄物の輸出時の許可制や事前通告制、不適正な輸出や処分行為が行われた場合の再輸入の義務などを規定した国際条約として定められている。我が国も1993年に同条約に加入し、その履行のための国内法としてバーゼル法を定めている。
廃棄物
廃棄物は、産業廃棄物と一般廃案物に分かれ、産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃泊、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック頼等に代表される。一般廃棄物は、産業廃楽物以外の廃棄物をいう。
排出量取引
地球温暖化の原因であるCO2の排出を減らすため、CO2の排出超過分や不足分を国や企業が市場で取引する仕組み。2005年に発効した京都議定書では、1990年当時の温室効果ガスの排出量を基準にして、日本やEUなどの排出上限量が数値目標として決められた。排出量取引では、この数値を基準にして、国同士がCO2の排出超過分と不足分を市場で取引できる。日本では、2008年に排出量取引制度の試行運用が始まった。エネルギーに由来するCO2を対象として、企業が自主的に削減目標を設定し、排出枠やクレジットを口座上で取引する。
ばい煙
大気汚染防止法上の用語で、燃料その他、物の燃焼、合成、分解その他の処理に伴い、工場の煙突等から排出される硫黄酸化物、ばいじん及び窒素酸化物等の有害物質をいう。
ばいじん
大気汚染防止法上の用語で、燃料その他、物の燃焼又は熱源として電気の使用に伴い発生するすす等の個体粒子の総称を言う。
バイオディーゼル(BDF)
菜種油・ひまわり油・大豆油・コーン油などの生物由来の油や、各種廃食用油(てんぷら油など)から作られる軽油代替燃料(ディーゼルエンジン用燃料)の総称。燃焼によってCO2を排出しても、大気中のCO2総量が増えないカーボン・ニュートラルである。バイオディーゼルは、従来の軽油に混ぜてディーゼルエンジン用燃料として使用できるため、CO2削減の手段として注目されている。また、従来の軽油と比較して、硫黄酸化物(SOx)がほとんど出ないという利点もある。
バイオマス
木材、海草、生ゴミ、紙、動物の死骸・糞尿、プランクトンなど、化石燃料を除いた再生可能な生物由来の有機エネルギーや資源のこと。燃焼時に二酸化炭素の発生が少ない自然エネルギーとして注目されている。
バイオ・レメディエーション
揮発性有機化合物や油等による環境汚染に対して、活性化させた微生物等を投入し、その能力を利用することで、汚染現場を浄化、修復する技術。
ハイボリューム・エアーサンブラー
大容量の大気を吸引し、大気中の粉じんをろ紙に採取し、重量法によって大気中の粉じん濃度を測定する機器である。
暴露評価
暴露評価とは、作業環境や一般環境において、ヒトが肺、皮膚、口から体内に取り込む化学物質の量、またはヒトが浴びる放射線、電磁波、紫外線などの量を推定する作業のこと。化学物質の暴露評価では、対象となる化学物質の環境濃度の測定値や予測値、個人サンプラーを用いた個体ごとの暴露量の測定値、血液や尿中に含まれる化学物質またはその代謝物の濃度などに基づき行われる。暴露評価に当たっては、暴露経路(大気、水、食物)の寄与の程度とともに、生活様式等の違いによる暴露量の変動の両方を考慮する必要がある。
ばっ気(aeration)
ばっ気は活性汚泥法の最も重要な事項で、汚水と活性汚泥の混合液に空気を通して必要な酸素を供給し、かつ撹拌を合せて行ない好気性細菌による有機物の吸着および酸化分解を促進させる手段。ばっ気槽内部を好気的な条件に保ち汚水の酸化反応を正常に維持するには、ばっ気槽流出水の溶存酸素を少くとも2ppm以上になるように空気を送り込む。一般に除去したいBOD1kg当り50~60m3のばっ気量が必要とされている。ばっ気の方式には色々あるが、大別すると散気式、機械撹拌式および散気機械攪絆併用式の3種に分類される。
ハニカム構造
ハチの巣状の多孔質構造で、脱臭用の触媒担体や活性炭吸着法の一つとして用いられている。他の粒状担体などと比べると圧力損失が小さい。
パブリック・コメント
行政の政策立案過程で国民の意見を募る制度(意見公募手続)。2005年6月の行政手続法の改正により新設された。 行政機関が実施しようとする政策について、あらかじめ国民から意見を募り、それを意思決定に反映させることを目的としている。行政機関が命令や規則を策定または変更する場合、ホームページなどを通じて素案を公表し、国民から意見を募る。国民は電子メール、郵便などの方法で意見を提出する。
バルキング
膨化(Bulking)ともいい、活性汚泥法において最終沈殿槽で汚泥が沈降しにくくなり、上澄水が得にくくなる現象をいう。沈殿槽で汚泥が分離できず、汚泥があふれ出る現象をキャリーオーバー(carry-over)という。
ヒートアイランド現象
ヒートアイランド現象とは、都市の中心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象であり、近年都市に特有の環境問題として注目を集めている。ヒートアイランド現象の原因としては、(1)空調システム、電気機器、燃焼機器、自動車などの人間活動より排出される人工排熱の増加、(2)緑地、水面の減少と建築物・舗装面の増大による地表面の人工化が挙げられる。ヒートアイランド現象は、都市に特有の大気に関する熱汚染とも言われている。 引用:ヒートアイランド対策大綱
ヒートポンプ
物質が液体から気体に変化する(気化)際に、その物質は周囲から熱を奪う。すなわち、周囲は熱を奪われるので冷却される。これとは逆に、物質が気体から液体へ変化する(液化)際は、周囲に放熱するので、周囲は加熱される。ヒートポンプは、この仕組みによって、圧縮機(コンプレッサー)を利用して、熱媒体と呼ばれる物質を気化或いは液化させ、大気中から吸熱或いは大気中に放熱して冷却や加熱を行うシステムである。電動ヒートポンプでは、電気は熱エネルギーとしてではなく、熱を移動させる動力源として利用されるため、消費電力の3倍近くの熱を利用できると言われており、石油などの化石燃料を燃やして熱を得る従来のシステムに比べて効率がよく、環境への負荷が低いシステムと言える。エアコンや給湯器などに多く利用されている。
PM2.5
大気中に浮遊している 2.5 マイクロメートル以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定め て対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM)よりも小さな粒子。PM2.5 は非常に小さいため(髪の毛の 太さの 1/30 程度)、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が心配されている。
ビオトープ
ドイツ語のBio(生き物)+Top(場所)を意味する言葉として、「Biotop(生き物の住む空間)」となった合成語。
砒素(As)
砒素は、金属合金中に硬度と耐熱性を増すために用いられ、さらに陶磁器、ガラス、染料、化学工業などに用いられるが、最大の生産は、殺虫、殺藻剤の製造に使用される。さらに医薬品にも一部使われている。慢性砒素中毒は、発現が非常におそく、発病までに2~ 6年が必要である。症状は両手と足底に吹出物ができ、ときには砒素毒によるガン性皮膚病となり、黒足病となづけられている。我が国では、環境基準は0.01mg/l又水質汚濁防止法の排水基準は0.1mg/lなどである。
非メタン炭化水素
メタン以外の大気中の炭化水素の総称。空気中での反応性が高く、光化学オキシダントの原因物質である。
フェノール類(phenols)
ベンゼン環、ナフタリン環に結合する水素原子が水酸基で置換された化合物をフェノール類という。天然水中のフェノールの存在は石炭乾留工場、合成樹脂工場などの廃水の混入が原因となる。フェノールを含む水を塩素処理するとクロロフェノールを生じ不快な臭味を与える。
富栄養化
水の出入りの少ない閉鎖性地域では、工場排水、家庭排水、農業排水などにより、水中の栄養塩類である窒素、 リンなどが増えると藻類やプランクトンなどが太陽光線を受けて爆発的に増殖し、腐敗過程で更に水中にリンや窒素が放出され、次第に栄養塩が蓄積される。この現象を富栄養化という。リンや窒素の栄養塩類の増加つまり富栄養化は必ずしも赤潮の原因とは一般的に考えられていないが、少なくとも基本的な要因とみなされている。
不透水層
地下水を透しにくい地層(難透水層)と透さない地層(非透水層)とに分けられる。難透水層は、粘土層などのように、帯水はするが地下水が流動し難い層であり、非透水層は、固結した堆積岩のように、連続した間隙がなく水を含むことも透すこともない地層をいう。
浮遊物質(SS)
水中に浮遊する小粒子状物質の総称。具体的には環境水中からグラスファイバーフィルターなどの濾材で濾別されるものを指す。プランクトン、生物体の死骸・破片・糞やその分解物などの有機物や泥粒などの無機物からなる。JIS K0101及びJISK0102では、水中に浮遊している物質のうち、2mm目のふるいを通過し、孔径1ミクロンの濾材上に残留する物質を懸濁物質といい、これを105~110℃で2時間乾燥し秤量して測定する。
浮遊ふんじん
空気中に浮遊している粉じんとばいじんの両者を合わせたもの。大体、0.5~10ミクロンの範囲で極めて徴細な粒子で、都市のそれは主として炭素分とタール分からできている。この粒子は非常に小さく、自分の重さでは落下しにくく浮遊するため、風の少ないときは濃度を増し、風が強いと濃度が低くなる。
浮遊粒子状物質(SPM)
Suspended Particulate Matterの略。大気中に浮遊する粒子状物質であって、その粒径が10ミクロン以下のものをいう。
ブラウンフィールド
有害物質等による土壌汚染が存在する、またはその懸念があるために、土地が本来有する潜在的な価値よりも著しく低い用途で利用されているか、利用されずに放置されている土地のことをいう概念。1970年代にアメリカでつくられた造語をもとにした概念で、日本でも土壌汚染対策法(2002)の施行などが契機となり、その実態把握と対策について検討されている。アメリカでは02年にブラウンフィールド法(小規模事業者の責任免除とブラウンフィールド再活性化法)が制定され、ブラウンフィールドの再定義と支援策の拡大が実施されている。ブラウンフィールドの問題は、汚染された土地が浄化されずに放置されることで人の健康や生態系への影響が懸念されるという環境保全上の問題に加え、土地の十分な活用が阻害されることで地域の活気や魅力が失われ、再開発が抑制・阻害される反面、グリーンフィールドと呼ばれる汚染されていない未利用地等への開発圧力が生じるなど社会経済的な問題も生じる。
プラグイン・ハイブリッドカー(PHV)
電気自動車とハイブリッドカーを掛け合わせた自動車。電気自動車のメリットは、走行時にCO2(二酸化炭素)が発生しないことだが、デメリットは、1回の充電で走行出来るのが数10~数100kmなので、街中などの近距離の走行には向いているが、長距離の走行には向いていないことであった。そこで、近距離の走行時は外部から電力をバッテリーに充電(プラグイン)してモーターのみで走行し、バッテリーの電力が少なくなるとガソリンエンジンが稼動して発電するというプラグイン・ハイブリッドカーが注目されている。長距離の走行時は、モーターとガソリンエンジンを使ったハイブリッドシステムで走行することが出来る。
フロン(Fluorocarbon)
フロンは、炭化水素の水素を塩素やフッ素で置換した化合物(CFC、HCFC、HFC)の総称で、このうち水素を含まないものをクロロフルオロカーボン(Chlorofluorocarbons; CFCs)と呼んでいる。これらの物質は、化学的に安定で反応性が低く、ほとんど毒性を有しない。また揮発性や親油性などの特性を持っており、冷蔵庫などの冷媒、半導体などの精密な部品の洗浄剤、ウレタンフォームなどの発泡剤、スプレーの噴射剤などとして幅広く使用されてきた。 しかし、特定の種類のフロンは対流圏ではほとんど分解されずに成層圏に達し、そこで塩素を放出してオゾンを酸素原子に分解することがわかってきた。これがいわゆるオゾン層の破壊である。こうした状況を受け、オゾン層の保護に関するウィーン条約やオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書により規制が進められることとなった。国内でも、オゾン層保護法(1988)やフロン回収・破壊法(2001)などにより対策が進められている。
粉じん
空気又はガスなどに含まれている固体の粒子をいう。大気汚染防止法では、物の破砕、選別その他の機械的処理又はたい積に伴い発生し又は飛散する物質をいう。
ヘキサン抽出物質
主として排水中に含まれる比較的揮発しにくい炭化水素、炭化水素誘導体、グリース油状物質等の 総称。通常「油分」といわれており、鉱油及び動植物等の油分の量を表す指標として使用されている。 排水基準鉱物油類含有量5㎎/l、植物油類含有量 30 ㎎/l。
ヘッドスペース法
試料を直接分析する代わりに密閉した容器中にいれ、平衡状態で存在する蒸気(ヘッドスペースガス)を採取、分析することにより、もとの試料についての知見を得る方法。蒸気の分析にはガスクロマトグラフ法がよく用いられる。飲食物その他の香気成分、土壊、環境水中などに含まれる揮発性成分の分析などに利用される。
ヘドロ
底層に堆積した泥で、特に腐敗が進み悪臭などを発する状態になったものをさす俗語。環境汚染との関係で頻繁に使われるようになったのは、製紙工場排水により静岡県田子の浦港に底泥が数メートルにも堆積したことが問題になり、ヘドロ公害と呼ばれてからである。
ベンゼン
水に難溶な無色の水より軽い揮発性の液体で、有機溶剤に可溶性がある。蒸気を吸収すると疲労、頭痛、めまい、意識喪失等を起こす。発癌性の疑いがある。主な用途は、染料、合成ゴム、農薬、防腐剤等の原料。
ポリ塩化ビフェニール(PCB)
市販品は塩素数、置換位置の異なったものの混合物であり、アロクロール(1221、1242、1254、1260など)およびカネクロール(300、400、500など)がある。これらは熱に対する安定性、電気絶縁性にすぐれ、 トランス油、 コンデンサー、熱媒体、ノーカーボン紙に用いられた。ヒト中毒例では、製造過程でPCB(カネクロール400)カミ混入した米ぬか油を食し発症した油症がある。
2017年07月31日