さ行

あ行  か行  さ行  た行  な行  は行  ま行  や行  ら・わ行  英数字

サーマルリサイクル
廃棄物を焼却して得られる熱エネルギーを回収すること。サーマルリカバリーと呼ばれることもある。日本語では熱回収といい、廃棄物の発生抑制とリユースを行い、マテリアルリサイクルを繰り返し行った後のリサイクル手法として、「循環型社会形成推進基本法」や電リサイクル法などで位置づけられている。また、欧米でも広く行われているが、廃棄物を焼却する方法であるため、燃やしてもリサイクルになるという認識が広まるとごみの排出抑制を妨げることにもなるという意見もある。
再生可能エネルギー
自然界で起こる現象から取り出すことができ、一度利用しても再生可能な、枯渇しないエネルギー資源のこと。水力、バイオマス、太陽光、太陽熱、風力、地熱、波力などがある。これに対して、ストック(賦存量)が一定で再生不可能なエネルギー資源は枯渇性エネルギー資源と呼ばれ、石油や天然ガスなどの化石燃料や、ウランなどの埋蔵資源などが含まれる。
最終処分場
廃棄物は、資源化又は再利用される場合を除き、最終的には埋立処分又は海洋投入処分される。最終処分は埋立てが原則とされており、大部分が埋立てにより処分されている。最終処分を行う施設が最終処分場であり、ガラスくず等の安定型産業廃棄物のみを埋め立てることができる「安定型最終処分場」、有害な産業廃棄物を埋め立てるための「遮断型最終処分場」、前述の産業廃棄物以外の産業廃棄物を埋め立てる「管理型最終処分場」及び一般廃棄物最終処分場(「管理型最終処分場」と同様の構造)とに分類される。これらは埋め立てる廃棄物の性状によって異なる構造基準及び維持管理基準が定められている。
最大着地濃度
煙突等から排出された汚染物質の地表面での最大濃度をいう。
三次処理
汚水の再生処理として、沈澱などの一次処理、活性汚泥法などの生物化学的処理による二次処理に対して、更に高度の処理を行うことを三次処理という。処理水に応じて凝集沈澱、活性炭吸着、イオン交換などの技術を組み合わせて処理を行う。
酸性雨
一般的にpH5.6未満の酸性度を示す雨水をいう。雲の中で硫酸ミスト等のエアロゾルが核になり雨水が生成する現象(レインアウト)や大気中に雨水が落下するとき大気中の硫黄酸化物、窒素酸化物などの大気汚染物質を吸収する現象(ウォッシュアウト) などにより、酸性の雨が降るといわれている。
三点比較式臭袋法
嗅覚測定法における臭気指数(臭気濃度)の測定法である。昭和47年東京都で開発され平成7年悪臭防止法の改正で同法に採用された。2種類の試料A、Bを識別するのに、どちらか一方を2個、他方を1個の計3個を1組としてパネルに呈示し、どれが異なる1個であるかを当てさせる。測定される臭気は3リットルのバックで提供され、パネルはその臭いをかぎ、臭いの有無を判断する。
残留性有機汚染物質(POPs)
難分解性、蓄積性、長距離移動性といった特徴をもつ有害化学物質で、PCB、DDT、ダイオキシンなどが含まれる。現在、国連環境計画(UNEP)を中心として、その製造・使用の廃絶、排出の削減などを進めるための国際条約の準備が進められている。
シアン化合物
シアン化物、シアノ錯体などCNを含む化合物の総称。環境基準および排水基準におけるシアン化物は全シアンに該当する。シアンは、メッキエ場、選鉱精錬所、鉄鋼熱処理工場、都市ガス製造工場などの排水中に含まれ、シアン化カリウムを飲み込んだ場合の致死量は、人の事故事例や動物実験によってほぼ150~300mgとされている。
四塩化炭素(CCL₄)
水に難溶な無色透明の液体で、揮発性があり、オブン層破壊の原因物質のひとつ。麻酔作用があり、頭痛、嘔吐、腹痛、下痢、肝臓障害、腎臓障害を起こす。発癌性の疑いがある。主な用途は、機械器具の洗浄、 ドライクリーエング等。
紫外線吸収法
オキシダントの主成分であるオゾンは、波長 254nm 付近の紫外線領域に極大吸収帯をもっている。 光源から光学フィルタを通して得られる短波長紫外線を測定光として、オゾンによる吸光度を測定す る方法。
紫外線蛍光法
二酸化硫黄は、390~340、320~250、230~190nm の領域に吸収ピークをもち、このうち吸収強度の 大きい最も低波長域に紫外線を照射する。二酸化硫黄に紫外線を照射すると二酸化硫黄は励起され、 直ちに蛍光を発して元に戻る。この蛍光を計測する。
時間帯補正等価値音レベル
Ldenともいう。個々の航空機騒音の単発騒音曝露レベルに昼・夕・夜の時間帯補正を加えてエネルギー加算し、1日の時間平均を取ってレベル表現したもの。わが国の航空機騒音に係る環境基準の評価指標はWECPNLを採用しているが、近年の騒音測定機器の技術的進歩及び国際的動向に即して、2013(平成25)年4月より新たな評価指標として時間帯補正等価騒音レベル(Lden)を採用することとされている。
時間率騒音(振動)レベル
騒音レベルが、対象とする時間範囲のN%の時間にわたってあるレベル値を超えている場合、そのレベルをNパーセント時間率騒音レベルという。なお、50パーセント時間率騒音レベルLA50 を中央値、5パーセント時間率騒音レベルLA5を90パーセントレンジの上端値、95パーセント時間率騒音レベルLA95を90パーセントレンジの下端値などという。単位はdB(デシベル)。振動でも同様であり、単位はdB(デシベル)。建設作業騒音(建設作業振動)や工場騒音(工場振動)を表すときに用いられる。
敷地境界
騒音の測定の場所としての敷地境界は、生活環境保全の見地から住居に最も近い、騒音の最も大きい場所が原則となる。塀の内か外かの点については、当然塀の外での測定であり、測定の位置つまり高低等についてはケースバイケースで合理的に判断せざるを得ない。
1,1-ジクロロエチレン(CH₂=CC12)
水に難溶な無色から淡黄色の透明な重い液体で、芳香臭、揮発性があり、酸化され易く、酸素と接触して過酸化物になる。液が皮膚に付着すると凍傷を起こす。発癌性が問題になっている。麻酔作用がある。主な用途は、ポリ塩化ビニル等の合成。
1,2-ジクロロエタン(CH2ClーCH2Cl)
無色透明の油状液体で、揮発性がある。液が皮膚や粘膜に繰り返し付着すると、皮膚障害、結膜炎等を招く恐れがある。主な用途は、合成樹月旨原料、フィルム洗浄剤、殺虫剤、医薬品等。
1,3-ジクロロプロペン(CHCトCHーCH2CI)
水より重い淡黄色の液体で、揮発性、疎水性がある。ラット経口毒性LD50=250mg/kg、魚毒性=B。主な用途は、土壊燻蒸剤、殺線虫剤(施設園芸等の有効成分の一つ)。
ジクロロメタン(CH₂C1₂)
無色透明の芳香のある水より重い液体で、不燃性、非引火性があり、湿気により加水分解する。肺から速やかに吸収され、高濃度暴露では意識障害、呼吸障害を起こす。主な用途は、ペイント景」離剤、エアロブル噴射剤等。
シス―1,2-ジクロロエチレン
水に難溶な無色透明の液体で、芳香臭、刺激性、揮発性があり、有機溶剤に自由に混合する。麻酔、催眠作用がある。ラット経口毒性LD 50=770mg/kg。なお、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンから還元状態で生成する。主な用途は、溶剤、染料抽出、香料、熱可塑性樹月旨、有機合成等。
シスト
貝毒の原因プランクトンであるアレキサンドリウム・カテネラを含むうず数毛藻類の一部の種では通常は遊泳生活をしているが、運動性がなく細胞の表面に丈夫な膜をもつ休眠状態の接合子を形成することがある。この接合子をシストという。シストの大きさは30~40 μmのものが多い。シストは無酸素状態などの悪環境条件下でも数年以上も発芽能力を保持したまま休眠している。
自動車排ガス測定局
交差点、道路、道路端付近など、交通渋滞による自動車排出ガスによる大気汚染の影響を受けやすい区域の大気状況を常時監視することを目的に設置される測定局。設置区域は、人が常時生活し、活動している場所で、自動車排出ガスの影響が最も強く現れる道路端又はこれにできるだけ近接した場所が望ましいとされる。大気汚染防止のための資料を得ることを目的とし、(1)大気環境基準適合状況の把握、(2)都道府県公安委員会に対して緊急時の措置として交通規制などを要請する際の判断根拠、(3)自動車から排出される有害大気汚染物質による大気の汚染状況の把握などに活用される。測定項目により測定局数に違いがあるが、全国に300局以上の測定局が設けられ、測定が行われている。
自動車NOx・PM法
正式名称は「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」。自動車交通の集中等により、大気汚染防止法等の既存の施策のみによっては大気環境基準の確保が困難となっている地域において、自動車から排出される窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)の総量を削減し、大気環境の改善を図ることを目的とした法律。現在、この法律に基づき、関東、関西及び中部の約250市区町村が対策地域として指定され、ほかの地域よりも厳しい特別の排出ガス規制(車種規制)が適用されている。
し尿浄化槽
水洗し尿を沈澱あるいは微生物の作用による腐敗又は酸化分解等の方法によって処理し、それを消毒し、放流する施設をいう。水洗し尿のみを処理する施設を単独し尿浄化槽、水洗し尿及び生活雑排水(厨房排水、洗たく排水等)を一緒に処理する施設を合併し尿浄化槽という。
指標生物
生息・生育に特定の環境条件が必要であり、その環境変化をよく反映する生物のこと。大気汚染では二酸化硫黄の指標としてウメノキゴケ、水質汚濁では有機性汚濁の指標としてカゲロウ、カワゲラなどの水生生物がよく知られている。
シマジン(CAT)
水、有機溶剤に難溶な白色の結晶で、自然環境中では比較的安定である。ラット経日毒性LD 50=971mg/kg、魚毒性=A、PRTR法の第1種指定化学物質。主な用途は、トリアジン系除草剤(芝生、果樹園等)。
遮音
音が他の媒体に伝わらないように、音を遮ることをいう。遮る程度の大きさは、音が物を通過するときに失われるエネルギー、透過損失で表され、この値が大きいほど遮音性能が良いとされ、一般的には、重い材料ほど、また高い周波数ほど遮音性能が良い値を示す。
遮音壁
騒音対策の一つとして、周辺の土地等を保護するために騒音を発生する施設等の周辺に設ける壁のこと。
遮水シート
廃棄物の最終処分場から廃棄物の保有水や雨水等が浸出しないようにするシートのこと。最終処分場に敷設する遮水シートに求められる事項として、環境省より「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の運用に伴う留意事項について」(1998(平成10)年7月16日)が示されており、遮水シートの厚みとして、アスファルト系以外は1.5mm以上、アスファルト系は3mm以上のものが要求されている。このほか、紫外線による劣化がない耐候性、-20℃~70℃近くまでの温度変化に耐える熱安定性、耐酸性、強度、施工性の機能も求められている。
臭気強度
人間が感じる悪臭の強さをいう。無臭室で調香師(香料の製造にあたるにおいの専門家)が感知した臭気の強さが6段階に表示されたものが広く使われている。
臭気指数
官能試験による臭気の数量化の方法の1つ。その臭気を無臭の清浄な空気で希釈し、臭わなくなったときの希釈倍数を臭気濃度という。臭気指数は、臭気濃度の対数に10を乗じて求める。臭気指数=10× log(臭気濃度)
これが人間の嗅覚の感覚量に対応した尺度となっている。悪臭防止法では、平成7年の改正で嗅覚測定法が導入され、臭気指数が規制基準に用いられている。
臭素化ダイオキシン
ポリ臭化ベンブーP― ジォキシン5種類、ポリ臭化ジベンブフラン4種類。
周波数
音は一種の波動で、物体の振動によって発生する。一秒間の振動数を周波数という。音の大きさは音圧の振幅、高さはその振動数によってきまる。周波数はHzで表し、人間の可聴範囲はほぼ16Hzから、20,000 Hzと言われている。一般的に、
(1) 低周波音(100~200Hz以下)(例)コンプレッサー吸気音、 ドラムバーカー、コンクリートミキサー等
(2) 中周波音(500Hz前後) (例)旋盤、フライス盤、工作機械等
(3) 高周波音(1000Hz) (例)ハンマー打音、打抜プレス、 リベット、グラインダー等。
襲撃波
継統時間の極めて短い波をいう。物が衝突したとき等に生ずる音波、流体中の超音速の動きでできる衝撃的な波等がある。
周波数分析
騒音の測定法の一種であって、騒音に含まれる各周波数の成分を選別して、それぞれの強さを個々に測定するものである。騒音は周波数によって聴覚に対する作用や伝達性状などが異なるから周波数分析は騒音の測定法として最も重要なものであって、騒音の影響の評価や許容値、騒音防止設計の各手法にわたって欠くことのできない測定である。
重金属
比重4または5以上の金属のこと。金、銀、銅、鉄、鉛、亜鉛、アンチモン、エッケル、コバルト、クロム、ヒ素、バナジウム、カドミゥム、マンガン、水銀などがあり、鉛、クロム、ヒ素、カドミウム、マンガン。水銀、カドミウムのように公害病の原因となるものが多い。
循環型社会
大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会に代わるものとして提示された概念。循環型社会基本法では、第一に製品等が廃棄物等となることを抑制し、第二に排出された廃棄物等についてはできるだけ資源として適正に利用し、最後にどうしても利用できないものは適正に処分することが徹底されることにより実現される、「天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会」としている。また、循環型社会基本計画では、このアンケート結果を踏まえ、具体的な循環型社会のイメージを提示している。
省エネ家電
省エネ型のテレビ、電気冷蔵庫、エアコンなどの家電製品。増え続ける家庭部門でのCO2排出量とエネルギー消費量を抑える切り札として、省エネ家電の開発と普及に向けた取り組みが、官民あげて行われている。消費者に省エネ家電を購入してもらうため、国は、省エネ法に基づく「トップランナー方式」や、省エネラベリング制度に基づく「省エネラベル」、省エネ家電の情報を表示する「統一省エネラベル」などを制度化し、実施している。また、2007年10月には、家電メーカーや小売業者、消費者団体などによる「省エネ家電普及促進フォーラム」が設立された。
植物プランクトン
光合成により水中の無機栄養塩類から有機物を合成する浮遊生物の総称。分類的にはその大部分が単細胞藻類によって構成される。
自浄作用
自然水中に汚濁物質が放流されたときに、自然水中で浄化されることをいう。自浄作用は希釈によるものと、自然水中に含まれる酸素によって分解されるもの(汚染水中の有機物質は微生物などの作用をうけて分解するなど)と、自然水中を流下する間に、沈澱することの3つの作用によっておこなわれる。自浄能力は、自然水の流量、流速、水温及び水質により異なる。
新エネルギー
従来使っていた石油、石炭、原子力、天然ガス、水力などのエネルギーに対し、今後研究開発・導入がはかられる石炭液化・ガス化、太陽エネルギー(熱・光発電)、深部地熱、水素エネルギー、海洋エネルギー、風ヵ、バイオマスなどの新規開発エネルギーをいう。
振動加速度レベル
振動の物理的なエネルギーの大きさを示す量であり、単位はデシベル(dB)である。振動加速度レベルは、次式で定義される。
La=20log(a/a0)ここで、Laはある振動の振動加速度レベル、aはその振動の振動加速度(m/s2)、a0は基準となる振動加速度(10-5m/s2)である。人の振動に対する感覚は、振動の周波数、体位(立位、座位、臥位)、また、鉛直振動か水平振動で異なるが、人が感じる最小の振動の振動加速度は10-2m/s2であり、これを振動加速度レベルで表すと、La=60dBとなる。引用:EICネット
振動レベル
公害振動の計量単位で、人間に対する振動感覚の周波数特性に基づき、振動加速度レベルに補正を加えたもので、5 Hz、10-5m/sec2を基準に定められた値で、dB(デシベル)で表す。
新幹線騒音(振動)
新幹線の列車走行に伴い発生している騒音(振動)。主な発生部位は車体、車輪とレールの摩擦音及び衝撃、レールの継目やポイントにおける衝撃、軌道敷や鉄橋などの騒音(振動)である。速度が速いために音が大きく、また軌道面も高いことが多いことから、騒音の伝搬距離も大きい。
水銀
水銀は、常温・状圧で、液体である唯一の金属元素だ。元素記号は「Hg」。銀白色の光沢を持ち、多くの金属とアマルガム(合金)をつくる。水銀は、「金属水銀」「無機水銀」「有機水銀」の3つに大別されるが、その生体への吸収や毒性は形態により異なる。金属水銀は最も安定した状態で、水にもほとんど溶けない。体温計、蛍光灯、蛍光水銀ランプなど日常生活の中でも使われているが、こぼれてしまった場合には、室温で蒸気化する危険がある。一方、有機水銀は無機水銀に比べ毒性が強い。とくにメチル水銀は、熊本県八代海の水俣病や、新潟県阿賀野川流域で発生した第2水俣病の原因物質であり、人体に様々な中毒症状をもたらし、胃腸炎や強い腹痛、めまい、更には知覚障害、運動麻痺などを引き起こす。無機水銀には1価と2価があり、2価の無機水銀は腎臓に蓄積し、腎障害を起こす。無機水銀化合物はかつて、消毒剤や殺虫剤として使用されてきた。現在は、河川や湖沼など公共用水域中の水銀濃度や、事業所などからの排水中の濃度について厳しく規制がなされている。環境基準は0.0005mg/L以下、土壌汚染対策法で定める土壌含有量基準は15mg/kg以下で、底質暫定除去基準は、河川と湖沼においては25ppm以上となっている。
水域類型
生活環境の保全に関して、公共用水域を水域の利用目的、水質汚濁の状況、水質汚濁源の立地状況などを考慮して水域類型の指定を行っている。水域類型は、河川が6類型、湖沼が4類型、海域が3類型に分けられている。水域類型の指定は、政令で定める特定の水域については環境大臣が行い、そのほかは都道府県知事が行うことになっている。
スコーピング
環境影響評価条例に定められた手続のひとつ。調査、予測、評価の手戻りを防止し、効率的な環境影響評価を実施するため、知事、市町村長及び住民等から意見を求めて、環境影響評価の項目及び手法を選定する手法のことで、項目及び手法を「絞り込む」という意味である。
スモッグ
煙(Smoke)と霧(Fog)を結びつけた合成語。高濃度の大気汚染などによっておこる視程障害現象を表すときに使われている。
生活排水
生活排水とは、 し尿と日常生活に伴って排出される台所、洗濯、風呂等からの排水をいい、生活雑排水とは、生活排水のうち、し尿を除くものをいう。生活排水の発生負荷量は、生活形態等によって差があるものと考えられるが、おおむね1人1日当たりのBOD(生物化学的酸素要求量)負荷物は43gであり、台所等から排出される生活雑排水が約70%にあたる30gを占めている。生活雑排水中のBODの発生源別割合は、台所から発生する負荷量が55%を占め、風呂30%、洗濯13%とこれらで98%を占めている。
スカム
排水処理中に発生するガスによって、浮上する微生物、油脂質、懸濁物質等からなる、水槽の水面に浮上した油脂や固形物の集まったものをいう。
生態系
ある地域のすべての生物群集と、その生活に関与する無機的環境を含めた系をいう。自然界の生物は他の生物や環境と多くの相互作用をもち複雑に絡み合っているので、生物群集と無機的環境とは切り離すことができないという認識から生まれた。緑色植物は太陽エネルギーを利用して、環境中の無機物から有機物を合成する。植物は動物に捕食され、動物は他の動物に捕食される。枯れた植物体、死んだ動物体あるいはその排泄物は微生物によって分解され、無機物として再び環境に戻る。食物連鎖を通してエネルギーは流れ、物質は循環する。生態系は自己維持機能をもつと同時に、一つの発達の歴史をもつ。それは、生物は無機的環境に働き掛けこれを変化させるが、その結果、初めの種は他の種と置き変わっていくからである。
生物化学的酸素要求量(BOD)
検水を好気性微生物が十分成育できる状態にし、通常は20℃で5日間放置した時消費される酸素量をいう。イギリスの河川の流下時間がほぼ5日間であったので、古くBODも5日間(20℃)の酸素消費量と規定されたものが現在も慣用されている。元来は酸素消費量であったが、排水中の酸素を消費する物質がおもに有機物であることから、BODが大きいと、その水は有機物による汚濁が進んでいることを示す。排水中の有機物量を規制する水質指標とみなされるようになってきた。
生物多様性
種間の多様性、種内の多様性及び生態系の多様性を含んだ概念である。すなわち、①多様な種が存在する、言い換えれば、全地球的に種の絶滅が防止され、個々の生態系が多様な種から構成されているという種間の多様性、②同じ種においても多様な地域的個体群が存在するということを含め、同じ種の中でもそれぞれの個体が有している遺伝形質が異なるという種内の多様性、③多様な生態系が存在するという生態系の多様性の3つのレベルの多様性をいう。
生物多様性条約
1992年にリオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)で開催された国連環境開発会議(地球サミット)で採択された条約のひとつで、正式名称は「生物の多様性に関する条約」。翌1993年発効。この条約では、生物の多様性を「生態系」、「種」、「遺伝子」の3つのレベルで捉え、生物多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正な配分を目的としている。締約国に対し、その能力に応じ、保全、持続可能な利用の措置をとることを求めるとともに、各国の自然資源に対する主権を認め、資源提供国と利用国との間での利益の公正かつ公平な配分を求めている。また、生物多様性に悪影響を及ぼすおそれのあるバイオテクノロジーによって改変された生物(LMO/GMO)の移送、取り扱い、利用の手続き等については、カルタヘナ議定書が採択されている。日本は1992年に署名、翌年加盟(受諾)。2006年2月現在で188ヶ国が加盟している。条約事務局はカナダのモントリオールにある。
製品アセスメント(製品評価)
製品アセスメントには、環境影響の面からのアセスメントの他に、製品安全、PL(Product Liabihty;製造物責任)、価格性能、品質等の製品のDR(Design Review)までの広い意味がある。また、「製品」の定義にも機械器具、原材料製品といった工業製品以外に農水産物の製品もある。この中で科学技術の高度集約化された工業製品が、自然環境への影響が最も大きいと考えられる。さらにアセスメントの対象範囲も製品の設計から廃棄までの一生涯のみならず原材料採取、素材精製を含むLCA(Life-Cycle Assessment)へ拡大すべきであるという意見もある。
セレン(Se)
セレンは、塗料の顔料、染料、ガラス製品、整流器、半導体工業化電池、ゴムの混和剤、殺虫剤スプレーなどに用いられる。セレンの毒性はヒ素に似ていると言われている。
ゼロ・エミッション
廃棄物や排熱の自然界への排出(エミッション)をゼロにすること。具体的には、一産業・社会部門における廃棄物・排熱を極力その中で再利用するとともに、他部門での活用を含め、全体として廃棄物等をなくすこと。
全窒素(TN)
TN(Total Nitrogen)、総窒素ともいう。無機態窒素と有機態窒素の合計量。湖沼や内湾などの閉鎖性水域の、富栄養化の指標として用いられている。水中では、窒素は、窒素イオン、窒素化合物として存在しているが、全窒素は、試料水中に含まれる窒素の総量を測定するものである。窒素は、植物の生育に不可欠なものであるが、大量な窒素が内湾や湖に流入すると富栄養化が進み、植物プランクトンの異常増殖を引き起こすとみられている。湖沼におけるアオコや淡水赤潮の発生や、内湾における赤潮、青潮の発生が問題になっている。
全燐(TP)
TP(Total Phosphorus)、総燐ともいう。無機態燐と有機態燐の合計量。湖沼や内湾などの閉鎖性水域の、富栄養化の指標として用いられている。水中では、燐は、燐イオン、燐化合物として存在しているが、全燐は、試料水中に含まれる燐の総量を測定するものである。燐は、窒素と同様に植物の生育に不可欠なものであるが、大量な燐が内湾や湖に流入すると富栄養化が進み、植物プランクトンの異常増殖を引き起こすとみられている。湖沼におけるアオコや淡水赤潮の発生や、内湾における赤潮、青潮の発生が問題になっている。
騒音計
騒音レベルを測定する測定器で、周波数レスポンス、その他の電気的特性が規格によって十分規制された一種の音圧計であって、その指示計器は直接騒音レベルを指示するように目盛られている。規格に合った騒音計で測定した値でなければ騒音レベルとはいえない。我が国では」JISC 1502(普通騒音計)、JISC 1505(精密騒音計)の2種類の規定がある。
騒音レベル
騒音計の規格に定められた周波数補正回路A、C等のうち、A回路(A特性)を用いて測定されるdB数である。A回路:測定値が耳に感ずる騒音と良く対応、C回路:測定値が周波数に関わらず同じ感度、なお、測定に用いた回路名をかっこ書きするが、A回路の場合は計量法で省略してもよいことになっている。(例)60 dB(A)=60 dB、60 dB(C)等。
騒音レベルの中央値と90%レンジ
騒音計の指示値が不規則に変動する場合の騒音レベルの表現の一つで、騒音レベルの累積度数曲線の累積度数50%に相当する値を中央値(L50)といい、変動する幅をその5%と95%の値(90%レンジ)で表す。
総水銀(T-Hg)
水銀による汚染状況を示す測定値の名称。人体への影響から検体に含まれる水銀又は水銀化合物の形態を問わず、すべてを含め金属水銀の量として幾らあるかを分析したものを総水銀値(量)としている。わが国では、環境基準は0.0005mg/l(総水銀)とされ、又水質汚濁防止法の排水基準は0.005mg/l (総水銀及びアルカリ水銀等)とされている。
総量規制
工場・事業場が集合している地域で、施設ごとの排出基準だけでは環境基準の達成・維持が困難な地域について、一定以上の規模の工場等に対して、排出量の総量を規制するものである。大気については硫黄酸化物、水質については化学的酸素要求量について、一定の地域を指定してこの方式を実施している。静岡県内では、富土地域に硫黄酸化物の総量規制が実施されている。
藻類
藻類はクロロフィルaを有し、酸素の生成を伴った光合成を行う生物群である。細胞構造、色素体などにより、藍藻植物門、緑藻植物門、産藻植物門、黄色鞭毛植物門、渦鞭毛植物門などに分類される。浜名湖で発生するアオサは緑藻植物門に、1996年に発生し、アサリの出荷に影響を与えた貝毒(Alexandrium catenella)は渦鞭毛植物門に属する。
2017年07月31日