か行

あ行  か行  さ行  た行  な行  は行  ま行  や行  ら・わ行  英数字

カーボン・オフセット
カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、[1]まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、[2]どうしても排出される温室効果ガスについてその排出量を見積り、[3]排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方。このカーボン・オフセットは、(1)商品の製造・使用やサービスの利用、(2)会議・イベントの開催、(3)市民、企業、自治体の自らの活動など、さまざまな場面での温室効果ガスの排出について実施され始めている。
カーボン・ニュートラル
市民の日常生活、企業の事業活動といった排出活動からの温室効果ガスの排出量と、当該市民、企業等が他の場所で実現した排出削減・吸収量がイコールである状態のことをカーボン・ニュートラル(炭素中立)という。カーボン・オフセットは、市民の日常生活や企業の事業活動におけるカーボン・ニュートラルを実現するための手段であり、排出量を全量オフセットされた状態がカーボン・ニュートラルとなる。
カーボン・リーゲージ
エネルギー多消費産業が国外に移転すれば、国内の二酸化炭素排出は減っても、地球全体の総排出量はむしろ増加する、いわゆるカーボン・リーケージ(Carbon Leakage)、すなわち「炭素の漏れ」の問題として検討しなければならない。
回文式活性汚泥法
回分式活性汚泥法は、曝気槽内で、汚水を一定時間浄化処理した後、曝気を停止し、汚泥を沈殿させ、上澄水(処理水)を排出する処理する方法です。汚水投入時や沈殿時に嫌気状態となるため脱窒効果が期待できる。曝気槽が沈殿槽を兼ねるので処理設備の構造が簡単である。
化学的酸素要求量(COD)
水中に含まれる有機物と被酸化性の無機物が酸化剤によって酸化されるとき、消費する酸化剤の量を、それに相当する酸素の量で表したもの。水中に含まれる被酸化性無機物は通常の状態ではあまり多くないので、CODは主として水中に含まれる有機物の量を表す。酸化剤の種類、濃度、反応時間によって、いくつものCOD測定法がある。有機物をほぼ100%酸化する力を有しているのは、酸化剤として重クロム酸カリウムを用いた時である(CODCr)。過マンガン酸カリウムによる場合(CODMn)は、酸化力が弱く値がより低くなる。
化学物質
人為的に化学合成により生成された物質をいう。現在世界で10万種、日本で5万種が流通していると言われている。現代生活には不可欠であるが、その活用の仕方によっては人の健康や生態系に影響を及ぼす恐れがあるもの。ダイオキシンや環境ホルモンなど、その他有害性が社会問題となっている。
化学物質の環境リスク
リスクとは、望ましくないことが発生する起こりやすさ(確率)を示したもの。化学物質の「環境リスク」は、化学物質などによる環境汚染が人の健康や生態系に好ましくない影響を与える恐れのことをいい、化学物質の有害性の程度と、それにどのくらい曝されているか(暴露量)によって決まる。これを式で表すと、次のようになる。
化学物質の環境リスク=化学物質の有害性×暴露量
暴露量が小さければ、リスクは小さくなるわけだから、有害化学物質が排出されているからといって、すぐにリスクが大きいということにはならない。暴露量を知るためには、大気や排水の中にどのくらい有害化学物質が含まれているかを知ることが必要になる。
ガスクロマトグラフ質量分析計
略称GC/MS、通称ガスマス。ガスクロマトグラフと質量分析とを直結した機器。両機器の特徴が組み合わされて高い分離、定性能力を発揮するとともに選択的検出、定量が可能となる。未知成分の同定にはなくてはならない機器であり、広い分野で用いられている。
ガスタービン
内燃機関の一種で、圧縮機、燃焼機、タービンの三つの基本要素で構成される。空気を圧縮機で圧縮加圧後、燃焼器内で燃料を燃焼し、得られた高温高圧のガスタービンを回すもので、圧縮機駆動に必要な動力を差し引いたものが有効出力となる。出力は、軸出力として取り出し、発電機等の駆動に用いる。航空用、産業用、発電用、船舶用などの用途に使用されるが、近年、コージェネレーションの普及に伴い、定置型内燃機関として産業用、民生用の両部門での採用が見られる。
活性汚泥法
下水の二次処理や工場排水処理などに最も広範に用いられている可溶性有機物の処理法である。ばっき槽と最終沈澱池とからなる。活性汚泥とは、この装置内を循環している細菌、原生動物を主体とする一見泥状の物質である。下水中の有機物は活性汚泥中の微生物に酸化され、或いは、活性汚泥のフロック内に取り込まれるなど、その濃度が減少する。ばっき槽内の活性汚泥混合液は最終沈澱池に送られ、ここで活性汚泥と上澄液とに沈降分離され、上澄液が処理水として排出される。
活性炭吸着法
活性炭は無数の細孔をもつ無定形炭素で、瀝青炭やヤシ殻などからつくられる。活性炭が有機物等を吸着できるのは、この特異な細孔構造に起因している。活性炭の吸着力は有機物の種類によって異なり、ある種の有機物や色度成分に対する吸着力が強いので、排水処理としての活性炭吸着法は生物化学的処理の後の高度処理や脱色に使われることが多い。トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の代表的な処理法となっている。
合併処理
トイレの汚水(し尿)だけを処理する単独処理に対して、し尿と台所、浴室及び手洗排水等の雑排水(生活排水)を一括して処理する方法を合併処理という。2001(平成13)年4月より浄化槽法が改正され、生活排水を未処理のまま流す単独処理浄化槽の設置は原則禁止された。小規模な合併処理浄化槽の主な処理方式には、BOD除去型と高度処理型がある。いずれも微生物の働きを利用して、家庭からの排水を処理するものであるが、高度処理型は、内湾の赤潮や湖沼のアオコの原因となる窒素を高度に除去することができる。
カドミウム(Cd)
銀自色の軟かい金属。亜鉛と共に産出する。カドミウム鍍金に広く使用される。また融点の低い合金の原料になる。硫化物〈硫化カドミウム)は黄色の絵具として使用される。カドミウムによる急性中毒は、カドミウムによって汚染された水を飲んで1時間後腹痛を起こした例があり、多量の摂取は死にいたることがある。カドミウムは、肝臓、腎臓、すい臓、甲状腺に蓄積する傾向がある。又、神通川流域におけるカドミウムによるイタイタイ病は、代表的な公害病と言える。我が国では、環境基準は0.003mg/L、水質汚濁防止法の排水基準(省令)は0.03mg/Lとされている。
カルタヘナ議定書
遺伝子組換え生物の国境を越える移動について一定の規制が必要であることを決議したもの。1995年に開催された生物多様性条約第2回締約国会議で合意され、1999年コロンビアのカルタヘナで開催された特別締約国会議で議定書の内容が討議されたのち、翌2000年に再開された会議で採択された。正式名称は「バイオセイフティに関するカルタヘナ議定書」といい、名称は会議開催地にちなむ。2004年2月19日に発効した。日本は同議定書を国内で実施するため、平成15年6月に「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)を制定し、条約発効と同時に施行した。
官能試験
人間の感覚(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)によって品質を測ること、および、人間の感覚の精度・感度を測ることを官能試験または官能検査という。悪臭防止法では嗅覚測定法と呼ばれる。においの場合は嗅覚によって対象物の評価を行うことで、悪臭の分野および香粧香料分野の両方で行われている。悪臭や芳香の嗅覚閲値、強度、快・不快度、においの質等の測定が含まれる。悪臭の分野では、官能試験(嘆覚測定法)による規制基準として、三点比較式臭袋法による臭気濃度の測定法が考案され、いくつかの自治体で採用され、その後、悪臭防止法では臭気指数として採用されている。こような実験室を中心とした測定のほかに、現場での住民の公害意識、生活環境不快度に関する調査も官能試験に含まれる。
環境アセスメント(環境影響評価)
環境アセスメントとは、一般的には、開発行為が環境に及ぼす影響の程度、その防止策、代替案の検討など開発行為に関する総合的な事前評価をいい、開発行為の環境に対する影響を事前に予知し、その悪影響を防止、制御することを目的として実施するものである。
環境カウンセラー
環境保全に関する活動を行おうとする市民や事業者などに、自らの知識や経験を活用して助言して助言等を行う人材を、環境カウンセラーとして登録し、一般に公表することにより、市民や事業者などの環境保全活動を推進することを目的に環境省が実施する制度。
環境監査
環境の側面から実施する経営管理の方法のひとつ。国際商業会議所(ICC)によると、「環境に関する経営管理上のコントロールを促進し、会社が定めた環境に関する方針(法律で定められた基準を守ることを含む)の遵守状況を評価することにより、環境保護に資する目的の組織・管理・整備がいかによく機能しているかを組織的・実証的・定期的・客観的に評価するもの」としている。また、国際標準化機構(ISO)では、1994年にISO14010シリーズで環境監査の規格を定めた(14010:一般原則、14011:環境管理システムの監査手順、14012:環境監査員の資格基準)。ここでは環境監査について、監査基準を満たしているかどうかを客観的証拠によって評価する体系的なプロセスであるとしている(14010規格)。企業活動を環境保全に配慮したものに変えていくためには、自らの事業活動の環境に与える影響を充分認識するとともに、定期的にチェックする体制を作ることが欠かせないことから、多くの企業体で導入されてきている。
環境マネジメントシステム
組織や事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるにあたり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくことを「環境管理」又は「環境マネジメント」といい、このための工場や事業所内の体制・手続き等の仕組みを「環境マネジメントシステム」という。 また、こうした自主的な環境管理の取組状況について、客観的な立場からチェックを行うことを「環境監査」という。環境マネジメントや環境監査は、事業活動を環境にやさしいものに変えていてくために効果的な手法であり、幅広い組織や事業者が積極的に取り組んでいくことが期待されている。環境マネジメントシステムには、環境省が策定したエコアクション21や、国際規格のISO14001がある。他にも地方自治体、NPOや中間法人等が策定した環境マネジメントシステムがあり、全国規模のものにはエコステージ、KES・環境マネジメントシステム・スタンダードがある。
環境基準
環境基準は、環境基本法で「大気の汚染、水質の汚濁、土壊の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準」として定められている。これは、行政上の目標として定められているもので、公害発生源を直接規制するための基準(いわゆる規制基準)とは異なる。
環境教育
人間活動による自然破壊や環境への負荷が問題となっている今日において、環境の重要さを認識するとともに、環境を保全するための行動が必要であるという意識を広げていくことを目的として、学校、家庭、企業・地域社会等を通じて行う教育のことをいう。環境教育とは「人間と環境とのかかわりについて理解と認識を深め、責任ある行動がとれるよう国民の学習を推進すること」であると定義されている。
環境月間
環境省では、環境の日(6月5日)を含む6月を「環境月間」として、関係府省庁、地方公共団体等の参加と協力の下に環境の保全に関する普及・啓発のための各種行事を実施している。
環境コンプライアンス
環境条約や環境制度などの環境に関する社会的取りきめを守ること。コンプライアンスという場合、法令や社会的取り決めの文言のみならず、その背後にある精神まで守り、実践することを意味する。環境コンプライアンスという場合も同様、環境上の法令や社会的取り決めを、誠意を持って解釈し実践することを意味し、法の欠陥(法令などの不在)の場合においてもの目的や主旨に沿った方向で行動していくことを意味する。今日の日本では、CSR(企業の社会的責任)に関連して本用語が多用されている。
環境指標
人間をとりまく環境の状態を表すさまざまな環境影響因子を定量的に示すものさしのことで、環境利用にあたっての影響を示すもの、環境に与える負荷を示すもの、環境の状態を表すもの等がある。
環境税
独立した定義があるわけではないが、一般的な用い方として、狭義には温暖化対策として温室効果ガスの排出量に応じて課税するいわゆる炭素税のことを指す。広義には環境保全を目的とした各種の税のことを指すこともある。ただし、ガソリン税のように環境保全に結果的に寄与するものであっても、主たる目的が環境保全でないものは通常は環境税とはいわない。現行法制では地方自治体が法定外目的税として設けていることがある、いわゆる産廃税や森林税のようなものを指すことが多い。
環境保全協定
環境の保全を目的として、地方公共団体及び地域住民と企業との間で締結される協定のこと。法令の規定基準を補完するとともに、地域特性を考慮した目標値の設定等により具体的な対策を明示し、関係法令、条例とならんで環境の保全のための有力な手段として用いられている。
環境ホルモン(外因性内分泌攪乱化学物質)
“動物の生体内に取り込まれた場合に、本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を及ぼす外因性の物質“を意味する。近年、医学、野生動物に関する科学、環境科学等の研究者・専門家によって、環境中に存在するいくつかの化学物質が、動物の体内のホルモン作用を攪乱することを通じて、生殖機能の阻害、悪性腫易を引き起す可能性があることが指摘されている。
環境容量
自然界は、物質を循環して環境の質的水準を一定に保ち、また、資源を再生産する能力をもっている。このような能力を量的にとらえたもの。この環境容量にはおのずから一定の限界があり、多量の廃棄物の放出、自然の無暴な変容等があると、これらを原因として環境汚染が進行する。
環境家計簿
ライフスタイルの見直しを目指して、日々の生活において、環境に負荷を与える行動や、環境に良い影響を与える行動を記録し、必要に応じて点数化したり、収支決算のように一定期間の集計を行ったりするもの。家庭における電力、ガス、水道などのエネルギーや資源の消費量、廃棄物の排出量等を定期的に記録する帳簿等がその例。
環境影響評価準備書
準備書ともいう。地方公共団体の条例では、環境影響評価書案の名称も使われる。環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を聴くための準備として、調査、予測、評価、環境保全対策の検討を実施した結果等を示し、環境の保全に関する事業者自らの考え方を取りまとめた文書。事業者は準備書を作成して、関係地域を所管する都道府県知事、市町村長に送付する。また、環境保全の見地からの意見を求めるため、準備書を作成したことを公告し、関係する地域内において準備書及びその要約書を縦覧するほか、説明会を開催することが義務付けられている。なお、準備書は内容が詳細で量も多いことから、事業者が準備書の内容を説明する説明会を開催する。
環境影響評価書
評価書ともいう。環境影響評価準備書について都道府県知事や一般から述べられた意見等を踏まえ、環境影響評価準備書の記載事項について再検討を加え、必要に応じて見直した上で、準備書に対し述べられた意見と、それらに対する事業者の見解を、準備書の記載事項に追加して記載した文書。環境影響評価法に基づく手続では、事業者は評価書を作成して、事業の許認可等を行う者に送付し、許認可等を行う者は環境大臣に送付する。環境大臣は環境保全の見地からの意見を述べ、許認可等を行う者は環境大臣の意見を踏まえて事業者に意見を述べる。事業者は意見の内容を検討し、必要に応じて見直した上で、最終的に評価書を確定し、都道府県知事、市町村長、事業の許認可等を行う者に送付するとともに、公告・縦覧を行う。
環境影響評価方法書
方法書ともいう。地方公共団体の条例では、調査計画書、実施計画書等の名称も使われる。事業が環境に及ぼす影響は、事業が行われる地域によって異なるため、環境影響評価も地域に応じて行う必要がある。環境影響評価の方法を決めるに当たり、住民、地方公共団体などの意見を聴くために事業者が作成する文書。方法書においては、どのような点に着目して環境影響評価を行うか(環境影響評価の項目)という点について事業者の考え方を明らかにすることを必須の事項とし、具体的にどのような手法で調査、予測、評価を行うかという点については、事業者がすでに案を決定している場合に記載されることとなる。
環境要素
環境影響評価の評価対象のうち、環境影響を受ける要素を環境要素という。環境影響評価項目を選定する際の区分として示されているものであり、環境の自然的構成要素の良好な状態の保持(大気環境、水環境、土壌環境、その他の環境)、生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全(植物、動物、生態系)、人と自然との豊かな触れ合い(景観、人と自然との触れ合いの活動の場)、及び環境への負荷(廃棄物等、温室効果ガス等)の4分野について環境要素を設定している。
気候変動枠組条約
大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン等)の増大が地球を温暖化し自然の生態系等に悪影響を及ぼすおそれがあることを背景に、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、1992年の地球サミット(UNCED、於リオ・デ・ジャネイロ)で署名のため開放された条約。1994年に発効。現在我が国を含む193カ国及び欧州共同体が締結(平成22年3月現在)。
汽水域
汽水が恒常的に、あるいは季節的に存在する河口域や内湾のこと。汽水とは、河川などから流出する淡水と、海洋の海水とが混合して形成される中間的な塩分濃度の水体である。汽水域では汽水が表層に広がり、通常、下層にはより塩分濃度が高い海水が存在するのが普通である。
規制基準
法律又は条例に基づいて定められた公害の原因となる行為を規制するための基準であり、工場等はこの基準を守る義務が課せられている。大気汚染防止法では「排出基準」、水質汚濁防止法では「排水基準」、騒音規制法、振動規制法、悪臭防止法では「規制基準」という用語が用いられている。規制基準は、主に地域の環境基準を維持するために課せられる基準である。
揮発性有機化合物(VOC)
揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)とは、トルエン、キシレン等の揮発性を有する 有機化合物の総称であり、塗料、インキ、溶剤(シンナー等)等に含まれるほかガソリンなどの成分 になっているものもある。
逆転層
大気は、通常、地上から上空にゆくにしたがぃ温度が低下する。しかし、寒い冬の朝など、地面温度が著しく冷やされると、地表に近い大気が上空よりも低温になることがある。このような気温の逆転がおこっている層を逆転層という。逆転層内では大気の安定度が高くなり、大気の上昇気流が弱まり、ばい煙等の上空への拡散も悪くなる。
嗅臭覚の閾値(いきち)
嗅覚についての閾値としては、検知闘値(何のにおいか解らないが、においを感知できる最小濃度)と、認知閥値(何のにおいかにおいの質を判別できる最小濃度)がある。
急性毒性
acute toxicity 動物あるいはヒトに化学物質等を単回投与あるいは短期間に投与した場合に投与開始直後から1~2週間以内に現れる毒性。急性毒性試験では、症状の種類、程度、持続時間、死亡の状態等を指標として、中毒量や致死量を算出する。急性毒性の指標の一つとしては LD50(半数致死量)がある。
吸音
音のエネルギーが物体に吸収されることで、物体から反射してこないほど吸音性能が良いことになる。吸音性能は一般的に柔らかな物体、高い周波数ほど良い値を示す。
京都議定書
気候変動枠組条約の目的を達成するためCOP3(気候変動枠組条約第3回締約国会議)で採択された議定書。先進国等に対し、温室効果ガスを1990年比で、2008年-2012年に一定数値(日本6%、米7%、EU8%)を削減することを義務づけている。また、右削減を達成するための京都メカニズム等を導入。ロシアの締結により発効要件が満たされ、平成17年2月16日に発効。我が国は平成14年6月4日に締結。現在189カ国及び欧州共同体が締結(平成22年3月現在)。
凝集沈殿法
排水中の微細な懸濁物を薬品によって凝集させて大きな粒子とし、沈降しやすくして分離させる処理方法。凝集剤には無機系のものと有機系(界面活剤、高分子凝集剤)のものがある。
魚毒性
農薬の魚介類への影響の度合いをあらわす基準で、A、B、B― S、Cに区分されている。Aは通常の使用法では影響のないもの、Bは広範囲に使用する場合に十分注意するもの、B一SはBの中でも特に注意が必要なもの、C は河川などに農薬が混入する恐れのある場所では使用しないものをいう。
クリーン・サイクル・コントロール
廃棄物における化学物質対策に関して、有害性のある化学物質の使用は回避(クリーン)し、適切な代替物質がなく、その効用に期待しなければならないときは循環利用(サイクル)し、循環利用が困難な場合は環境への排出を極力抑制し、過去の使用に伴う廃棄物はできるだけ分解・安定化するといった制御(コントロール)を行うべきであるという考え方。
クリーンディーゼル車
ディーゼル車は、本来はガソリン車より燃費が良くCO2の発生も少ないが、ディーゼル粉じんなどの有害物質が出るため、国や自治体が厳しく規制。大気汚染訴訟などの影響もあって悪いイメージが強かった。しかし、排ガス性能を向上させたディーゼルエンジンの開発が進み、欧州を中心に広く普及。次世代型低公害車として有力視されている。
グリーン契約(環境配慮契約)
グリーン契約(環境配慮契約)とは、製品やサービスを調達する際に、環境負荷ができるだけ少なくなるようにする契約。グリーン購入と同様に、グリーン契約は、調達者自身の環境負荷を下げるだけでなく、供給側の企業に環境負荷の少ない製品やサービスの提供を促すことで、経済・社会全体を環境配慮型のものに変えていく可能性を持っている。 グリーン契約を推進するため、環境配慮契約法(国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律:グリーン契約法)が平成19年5月に成立し、11月22日に施行された。
グリーン購入
購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境の事を考え、環境負荷ができるだけ小さい製品やサービスを、環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入すること。2001年4月施行のグリーン購入法では国の機関はグリーン購入に取り組むことが義務、地方自治体は努力義務、事業者や国民にも一般的責務があると定められている。グリーン購入が広がれば環境配慮型製品マーケットが拡大し、企業に環境負荷の少ない製品開発を促すことになりる。また、環境に積極的な企業を支援することになる。企業や行政機関も家庭でも、毎日何らかの製品やサービスを購入しているので、グリーン購入は誰でも今すぐにできる地球環境保全への取り組みである。
グリーン物流パートナーシップ・モデル事業
物流部門における二酸化炭素排出量を削減するため、荷主や物流事業者の連携・協働による物流システムの改善に向けた先進的で産業横断的な取り組みを促進するためのモデル事業。「グリーン物流パートナーシップ会議」のもとで運営されており、参加企業・団体の事業選定と評価や二酸化炭素排出量の算定などを、市場メカニズムに基づいて行っている。なお、同会議においてモデル事業に選定された場合、事業実施に当たって経産省の補助制度を利用することができる。
クロム(Cr)
銀白色の金属。クロムは、人の体内で代謝に関っており、正常な生命活動を維持するのに必須な元素とされている。欠乏すると、上昇した血糖値を正常に戻す代謝力が低下し、血中コレステロールの上昇などの障害が起こり、心臓・血管系疾患のリスク要因となると考えられている。 6価クロムは、生物細胞やヒトリンパ球を用いた染色体異常試験などの変異原性の試験で、陽性を示す結果が報告されている。国際がん研究機関(IARC)は、6価クロム化合物をグループ1(ヒトに対して発がん性がある)に分類している。
クローズド型最終処分場
廃棄物最終処分場の新しい形態の一つで、処分場の上を屋根等で覆い、雨水の入らないようにしたもの。粉じんや臭気の拡散がないこと、また浸出水の減少に伴う水処理コストの低減、廃棄物の早期安定化などの管理上のメリットがある。
嫌気性処理法
溶存酸素が存在しない条件下において成育する嫌気性微生物の代謝活性を利用した廃水や有機性廃棄物の処理法。排水や汚泥中の有機物を最終的にメタンと二酸化炭素とに分解・除去する処理法である。浄化槽で広く普及している腐敗槽、嫌気性ラグーン、嫌気性活性汚泥法、嫌気性生物膜法などがある。嫌気性処理法は所要エネルギーが少なく、発生したメタンをエネルギー源として利用できるなどの長所があるが、反応速度が小さいため反応槽容積が大きいなどの短所がある。
ケミカルリサイクル
廃棄物を化学的に処理して、化学原料としてリサイクルすること。
限外ろ過膜(UF膜)
精密ろ過膜(MF膜)よりもさらにふるいの目を小さくしたもので、膜に圧力をかけて水を押し出すことで分離を行います。膜表面の孔径は0.01μm以下で、分離可能な物質の大きさを分子量で示した分画分子量は1,000~300,000。
原単位
大気汚染や水質汚濁の予測を行う際に、事業行為などにより発生する負荷量を算定するために用いる係数で、たとえば、成人1人1日当たり排出する生物化学的酸素要求量(BOD)負荷、ある工場の製品出荷額1万円当たりの硫黄酸化物(SO2)排出量やBOD負荷などがある。
公害防止計画
公害防止計画は、環境基本法第17条に基づく法定計画であり、現に公害が著しい、または、著しくなるおそれがあり、かつ、公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難になると認められる地域について、公害の防止を目的として、環境大臣が示す計画策定の基本方針に基づいて都道府県知事が作成し、環境大臣の同意を要する計画。昭和45年12月から昭和52年1月まで、全国の主要な工業都市及び大都市地域のほとんどについて策定され、また平成15年度に2地域が策定され、これまでに52地域について策定された。地域の見直し、隣接する地域の統合等により、平成22年4月1日現在、全国30地域(24都府県)において策定されている。
光化学オキシダント
大気中の窒素酸化物と炭化水素が太陽の紫外線を受けて光化学反応を起こして生成するオゾン、アルデヒド、PAN(Per-oxy-acetyl Nitrate)等の総称で、主成分はオゾンである。大気中でスモッグを形成するので、この現象を光化学スモッグという。人の目や喉を刺激し、植物にも影響を与えるといわれている。光化学オキシダント濃度は、環境基準は1時間値が0.06ppm以下であること、また、大気汚染防止法では、0.12ppm以上になった場合、注意報等の発令を行い、人体被害の未然防止に努めることとしている。
好気性処理法
水中の溶存酸素の存在下で成育する好気性微生物を利用して、排水中の有機物を分解除去する方法の総称。活性汚泥法、酸化溝法、酸化池、ばっき式ラグーン、散水渡床法、回転円盤法、接触ばっき法、流動触媒法、土地濯漑法、間欠秒演過法などがある。浄化の過程は、排水中の有機物が徴生物に吸着・摂取され、代謝により酸化作用を受け、二酸化炭素、水、アンモニアとなり、一部は微生物の細胞増殖に利用される。溶解性のBOD成分の除去にすぐれ、操作条件によっては85~99%の除去率がえられる。
公共用水域
水質汚濁防止法では「公共用水域とは、河川、湖沼、港湾、沿岸海域その他公共の用に供される水域及びこれに接続する公共溝渠、かんがい用水路その他公共の用に供される水路をいう。ただし、下水道法で定めている公共下水道及び流域下水道であって、終末処理場を有しているもの、またこの流域下水道に接続している公共下水道は除く」と定義している。
光合成細菌
光エネルギーを利用して二酸化炭素の固定を行う細菌の総称。紅色無硫黄細菌、紅色硫黄細菌、緑色硫黄細菌に大別される。光合成の同化色素としてはパクテリオクロロフィルとカロチノイドがその主なものである。硫黄泉、嫌気的な底泥、湛水下の水田などに広く分布する。
交通需要マネジメント
車の利用者の交通行動の変更を促すことにより、都市や地域レベルの道路交通混雑を緩和する手法。
日本では、交通需要が道路整備を上回る勢いで増加しており、交通施設整備のみでは交通混雑緩和に限界が生じている。また、交通量の増加とともに、二酸化炭素や窒素化合物などの排出増加や、騒音などの問題も深刻化している。こうした問題を解決するため、道路整備に加えてTDMの実施による円滑な交通流を実現することが期待されている。
TDMには、経路の変更(道路交通情報や駐車場情報など適切な提供により、無駄な走行削減や最適なルート選択を可能とする)、手段の変更(電車など公共交通機関への利用転換、パークアンドライド、特定地域での自転車・徒歩優先など)、自動車の効率的利用(車両1台あたりの乗車人員を増加させて全体の自動車台数を減少させる、カープールやシャトルバスによる相乗り、物流での共同化促進など)、時間の変更(フレックスタイムなどによるピーク時間への集中の平滑化)、発生源の調整(交通負荷の少ない土地利用や勤務形態などによる移動量減少、道路課金制度(ロードプライシング)などがある。自動車利用量の低減にもつながるため、大気汚染防止の点でも期待される。
公害
人の事業や生活などに伴って生じる大気汚染、水質汚濁、騒音や悪臭などが、人の健康や生活環境に被害を及ぼすこと。環境基本法においては、「環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって人の健康または生活環境に係る被害が生じることをいう」と定義されている。この七つの公害を通常「典型7公害」という。
公害防止協定
地方公共団体又は住民と公害発生企業との間に、公害防止を目的に締結される協定。法令の規制基準を補完し、地域に応じた公害防止の目標値の設定、具体的な公害対策の明示等を内容とし、法律や条例の規定と並ぶ有力な公害防止対策の手段として広く用いられてきた。近年は、社会の状況等を踏まえ、公害だけでなく省エネルギー、廃棄物の減量化等の環境負荷の低減、景観等を含むより広い環境保全に配慮した環境保全協定が結ばれる例も多くみられる。
降下ばいじん
大気中に排出されたり、風により地表から舞い上がった粒子状物質のうち、粒子が比較的大きいために自重で地上に落下(降下)するものや、雨や雪に取り込まれて地上に落下するもの。
航空機騒音
航空機の主として飛行に伴い発生する騒音。航空機騒音の特徴として、(1)その音がきわめて大きい、(2)ジェット機などでは金属製の高い周波数成分を含む、(3)間欠的、場合によっては衝撃的、(4)上空で発生するため被害面積が広い等が挙げられる。また、離陸機と着陸機では離陸機、機種では古い機種、飛行距離では遠くに飛行するものほどそのレベルは大きく、飛行コースによっても大きく異なる。航空機騒音に係る環境基準は、2007(平成19)年12月の改正によって、WECPNL(Weighted Equivalent Continuous Perceived Noise Level:加重等価平均感覚騒音レベル)から時間帯補正等価騒音レベル(Lden)へ変更された。
コージェネレーション
発電時に発生した排熱を利用して、冷暖房や給湯などに利用する熱エネルギーを供給する仕組みのこと。火力発電など、従来の発電システムでは発電後の排熱は失われていたが、コージェネレーションでは最大80%近くの高効率利用が可能となる。また、利用する施設で発電することができるため送電ロスも少ない。このため省エネルギーやCO2の削減に効果がある発電方式として、地球温暖化対策としても期待されている。ホテル、病院、学校、一般企業などへの導入のほか、限定された地域への集中的な冷暖房などにも用いられている。また、家庭用のコージェネレーションシステムも実用化されつつある。
コージェネレーションシステム
コジェネレーションともいう。ガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジンや燃料電池を用いて、発電を行うとともに、その排熱を利用して蒸気を発生させる技術である。熱と電力を同時に得ることから、「熱電併給」とも呼ばれる。 ガスタービン等の発電の熱損失を用いて蒸気を発生させるため、総合エネルギー効率は高くなり、60~90%以上となる。蒸気の使用先がコージェネレーション・システムの近傍であることが望ましいため、地域冷暖房や工業団地等で用いられることが多い。
黒液
パルプエ業において亜硫酸パルプ(SP)、セミケミカルパルプ(SCP)、クラフトパルプ(硫酸塩パルプ、KP)などで原木材を蒸解した際に生成される廃液を一般に黒液という。 リグニン、樹脂、繊維質、薬液その他からなっており、このまま放流すると水質汚濁の大きな原因となる。濃縮後の黒液は焼却炉の中で噴射方式で燃焼されるのが一般的処理法で、この際、薬液に用いたものが一部回収されるが、ばい煙その他の大気汚染物質及び臭気を排出して問題となることがある。
固定発生源
ばい煙発生施設などの大気汚染物質を発生する施設の位置が常に固定されているもの。
こどもエコクラブ
次代を担う子どもたちが地域の中で主体的に、地域環境・地球環境に関する学習や活動を展開できるように支援するため、1995年に当時の環境庁が主体となり発足した事業。(財)日本環境協会に全国事務局を置き、市区町村の環境担当課がコーディネーターとして登録などの役割を担う。小・中学生数人~20人程度でグループをつくり、大人の連絡係(サポーター)を加えて年度ごとに登録。活動は、自分たちで自主的に行なう「エコロジカルあくしょん」、全国共通の「エコロジカルとれーにんぐ」があり、1年間の活動の後「アースレンジャー認定証」が交付される。年5回発行の『JECニュース』やインターネットを通じて情報が提供される。年1回開催の全国フェスティバルでは、各クラブ活動の紹介や、優秀クラブの表彰などが行われる。
コプラナPCB
209種類のPCBの異性体のうちで、偏平構造を持つものをいい、塩素の置換位置や数により13種類の異性体がある。コプラナPCBの毒性は、ダイオキシン類似のメカニズムを持つことから、人の健康に対するリスクに十分配慮する必要がある。ダイオキシン類の一つである。
ごみ固形燃料
ごみを焼却処分するのではなく、廃棄物中から選別した可燃性を粉砕、粒度調整、成形固化などによって個体燃料に加工すること。ごみのリサイクル手法の一つとして注目されている。
コンポスト
有機性廃棄物からできる堆肥のこと。堆肥は元来農家で動植物原料から作る有機肥料であるが、最近は、廃棄物の資源化と農地の地力回復の観点から都市ごみ、特に生ごみを利用する方式が注目されている。食品・紙パルプ・石油化学工業の排水処理汚泥、畜産廃棄物などが利用される。利用にあたっては肥料としての有効性と有害物質の含有についての確認が必要である。
 
2017年07月31日