会長よりご挨拶

新年のご挨拶

静岡県環境保全協会 会長 野末武宏     
(一般社団法人静岡県産業環境センター 事務局長) 

 


 新年、明けましておめでとうございます。
 会員の皆様方には、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 また、日ごろより当協会の運営につきまして多大なるご尽力をいただいておりますことに厚く御礼申し上げます。

 昨年を振り返りますと、7月末には、国連のグレテス事務総長が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した。」と警鐘を鳴らしたとおり、この夏は世界各地で記録破りの猛暑となりました。我が国においても同様で、11月に入ってもまだ25℃を超える夏日が記録されたほか、大雨による内水氾濫の発生増加など、例年にも増して、地球温暖化の影響による気候の変化を実感させられました。

 一方、社会情勢に目を移しますと、ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、10月には中東でイスラエルとパレスチナの激しい衝突が勃発し、その不穏な空気は世界に広がりました。本来であれば、地球温暖化を食い止めるために、世界中が温室効果ガスの削減や、省エネルギー化の促進、再エネルギーの導入を進め、環境保全のために力をあわせるべきであるこの時に、大きな混乱が続いていることに深い懸念を禁じえません。一刻も早い混乱の終息が望まれます。

 この世界の混乱の影響を受け、我が国においても、エネルギーや食糧の確保など、国民生活の安全・安心と経済の安定が優先され、環境対策への対応が送れる可能性が危惧されます。国は2030年度の温室効果ガスを2013年度比46%削減、2050年にはカーボンニュートラルを達成すると宣言しました。そのためには、国の強いリーダーシップの下、企業における事業経済活動や、国民一人ひとりの生活習慣を環境に優しいものに見直し、大胆にシフトしていく必要があります。そして、将来の世代に亘って、より良い環境を引き継いでいくことが、今を生きる私たちの責務と考えます。

 さて、本年度の協会事業は、新型コロナウイルス感染症の収束とともに、中止していた県内視察研修の再開や、WEB開催だった環境管理講座や排水処理技術セミナーを対面方式で開催するなど、平年ベースの実施状況に近づいております。一方で、セミナーの参加人数は減少傾向にあります。これまでのWEB開催から対面方式に戻したことで参加者が減少したと推測され、今後の開催に向けては検討が必要であると考えます。また、水質分析研修については、水質分析の初心者を対象に少人数で実地指導する体制が効果を上げておりますことから、引き続き、静岡県環境衛生科学研究所の協力を得ながら、着実に行ってまいります。

今年の干支は「辰」であります。「竜神」の力が世に平和をもたらすとともに、当協会の活動も「昇竜」のごとく活発に、会員の皆様のニーズに応えられる事業活動を心掛け、環境保全活動の支援や会員相互の交流促進に努めてまいります。

 会員の皆様には協会事業へご協力を引き続きお願い申し上げますとともに、ご健康とご多幸を心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

 

  令和6年 元旦